フリーランスの一年間「第10回 契約」 契約形態の種類や契約時の注意点

契約形態

フリーランスならおさえておきたい「契約形態」の概要と注意点

フリーランスSEは、契約先毎に業務委託契約を締結し、契約先の需要・ニーズに沿って自分のスキルを提供することで報酬を得ます。この時、契約先ごとに締結する業務委託契約の内容などを把握しておかないとトラブルが生じてしまう可能性もあります。

そこで今回のフリーランスの一年間「第10回 契約」では、契約形態の種類をご紹介しながら、契約時の注意点まで詳しく解説していきますので、ぜひご覧ください。

フリーランスの契約形態は主に「準委任契約」と「請負契約」

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フリーランスのメインとなる契約は「業務委託契約」でしょう。クライアントが自社以外の外部へ業務を任せる契約のことです。業務委託契約には、大きく分けると2種類の契約形態があります。

この記事を見ている方の多くは、現在「請負契約」で働いているフリーランスのSEだと思いますが、今回は改めて「請負契約とは何か、委任契約とは何か」について再確認しておきましょう。

準委任契約

準委任契約は、あらかじめ定められた期間内に作業を遂行することを約束することで成立する契約形態のことです。準委任契約には「労働期間に対して報酬が支払われる」「発注者側に指揮命令権がない」「瑕疵担保責任がない」という3つの特徴があります。
つまり「どのくらいの期間内に〇〇を完成させる」という案件の明確な目標・目的はなく、「単価:XX万円/XX月」のような形で契約することが多いと思います。そのため、成果物を完成させなくても、原則問題ないように思えます。

しかし、民法第644条には「受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を追う(善管注意義務)」と定められています。万が一、義務を満たさない場合には、「契約解除」だけではなく「損害賠償請求」される可能性もありますの。フリーランスのエンジニアなら当然のことですが、常に真摯な姿勢で業務を遂行してクライアントの満足を得られるよう日頃から努力しておくべきです。

請負契約

請負契約は、成果物を完成させる義務が発生し、完成してから報酬が支払われる契約形態です。請負契約には「成果物を完成させる義務があり、完成品を納品し検収を受けた後に報酬が支払われる」「発注者側に指揮命令権がない」「瑕疵担保責任がある」という3つの特徴があります。

請負契約は準委任契約とは違い、案件の明確な目標・目的があります。また、その目標を満たすことで報酬が支払われるという形の契約です。そのため、いくら時間をかけて作業を行っても、実際に成果物を完成し納品できなければ報酬を受け取ることはできません。逆に、プログラミングなどの高いスキルを持っており、予定より早く完成させることができれば、その分稼働は効率的になり結果として収支全体が向上するでしょう。フリーランスのエンジニアであることの醍醐味のひとつですね。

準委任契約と請負契約の違い

準委任契約は、成果物を完成させる義務ではなく、時間や労働力の提供で報酬が支払われる契約形態といえるでしょう。準委任契約と請負契約の主な違いは以下のように整理することが出来ます。
【準委任契約】
対価:時間・労働力
成果物:求められない
瑕疵担保責任:なし
報告義務:あり
契約解除:お互いいつでも可能
【請負契約】
対価: 完成品
成果物:求められる
瑕疵担保責任:あり
報告義務:なし
契約解除:受注側はできない

契約時に気をつけるべき3つのこと

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業務委託契約は、フリーランスエンジニアとして働く上でかかせない契約となっていますが、契約を結ぶ際には、いくつか気をつけなければならないポイントもあります。
その注意を怠ったことで将来性をなくす恐れもあるかもしれません。フリーランスエンジニアの場合、会社員のように企業や組織に守ってはもらえないため、この記事を見られた機会に、あらためてしっかりと理解を深めておきましょう。

1 派遣法に気をつける

準委任契約や請負契約は、発注者側から委託された仕事をこなしたり、完成させたりすることが目的です。そのため、派遣契約のように発注者側に指揮命令権や労務管理を行うことはできません。

しかし、客先に常駐して作業を行う際、発注者側が受注者側に対し、直接指揮命令をしてしまっていることがあります。このような行為は「偽装請負」とされることがあります。偽装請負を行った場合には法律違反となり、罰則が課せられます。また発注者側だけではなく、受注者側にも課せられる可能性があります。

●労働者派遣法第59条2号:無許可派遣事業として、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
●職業安定法第64条9号:違法な労働者供給事業となり、発注者側と受注者側の両者に対し1年以下の懲役または100万円以下の罰金

2 労働基準法は適用されない

労働基準法の対象外となることも知っておきましょう。
従業員を守るために定められている「労働基準法」ですが、この法律は正社員・パート・アルバイトなど雇用されている会社員に適用されます。堂々たる個人事業主として、自ら立っているフリーランスエンジニアには当然適用はされません。

フリーランスのエンジニアとして仕事を受託している場合、仮に急に契約終了を言い渡されたり、労働時間が数百時間になったりしても原則として受入れざるを得ないことがほとんどです。ただしあまりにクライアント側本位のものであれば、下請法やその他の法、契約書などの記載事項に準拠して交渉の余地もありますので、一度相談をしてみる価値はあるでしょう。

3 報酬の支払いについて確認する

契約時の注意点として、報酬の支払いについて確認することも大切です。後にトラブルとならないためにも、しっかりと確認しておきましょう。

【交通費の扱い】
フリーランスの契約によっては、交通費が受託料内に含まれている場合もあれば、交通費関係の契約を別に設ける場合もあります。交通費の扱いが曖昧な場合、受注者側の利益が大きく低下することもありますので特に注意しておきましょう。
しっかりと確認しておくことが、結局はクライアントとフリーエンジニア双方にとって最良のことなのです。信頼感をもってお付き合いしていくためにも、きちんと最初に交渉しておきましょう。

【報酬が振り込まれる日】
基本的に「月末締め翌月末振込」のクライアントがほとんどですが、中には「月末締め2ヶ月後の月末振込」のクライアントもあります。
振込日を確認しないと、資金のやりくりが難しくなる可能性もありますので、これもはじめにしっかりと確認するようにしましょう。また、振込日が仮に土日祝日だった場合には「前営業日」に振り込まれるのか「次営業日」に振り込まれるのかもきちんと確認しておきましょう。

【振込手数料】
振込手数料が生じる場合、クライアント側が負担するのか、自分が負担するのかも大切です。もし自分で手数料を負担するとなると、帳簿作成時に支払手数料としてきちんと費用計上しなければなりません。これもきちんとチェックしておきましょう。

【報酬発生時期】
報酬が発生する時期(検収締め日)も大変重要です。
クライアントへの1回目の納品で報酬が発生するのか、修正なども含めて全て完了した段階で報酬が発生するのか、それともシステム運用などがスタートした段階で報酬が発生するのか、月次精算となるのかなど、クライアントによって異なります。
契約時にきちんと確認させてもらいましょう。

まとめ

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これまで、フリーランスエンジニアの契約について詳しく説明してきました。
準委任契約と請負契約の違いを再度確認できたのではないでしょうか。フリーランスエンジニアとして請負契約を行っている場合、偽装請負に厳重な注意を払わなければなりません。

また、労働基準法などは適用されないため時として様々な問題で困ることになる可能性も考えられます。トラブルにならないためにも、今回ご紹介した内容をしっかり頭に入れておきましょう。
次の記事では「フリーランスの契約書」について詳しくご紹介していきます。契約書の重要性から注意点、書き方まで詳しく説明しますので、ぜひご覧ください。


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