フリーランスの一年間「第13回 所得と税金」 主な税金の種類と計算方法をご紹介

フリーランスの所得と税金

フリーランスのエンジニアが知っておくべき所得と税金

フリーランスとして働き始めたばかりのSE・プログラマー・ITエンジニアの方であれば、初めての確定申告などで戸惑う方もいるでしょう。そこで、今回のフリーランスの一年間「第13回 所得と税金」では、フリーランスのITエンジニアの方が納めることの多い税金の種類とその計算方法を詳しくご紹介していきます。また、その際に気をつけるべきことなども合わせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

一番大切なことは、実際の申告や納税の際に不明点や自信のないところなどがあれば、それらの詳細について地元の税務署へ相談や確認を行うようにして、気持ちのよい申告と納税を行うよう心がけてください。

税務署は、決して敷居の高い場所ではありません。テレビドラマなどのイメージを払拭して気楽に一度相談されてみると、真摯に詳細に説明してもらえることが分かります。疑問点があれば決してあいまいにせず、進んで質問してみましょう。電話での税務相談も常時受け付けてくれています。

フリーランスのエンジニアが納める税金の種類

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1.所得税

所得税は、その年の1月1日から12月31日までの一年間に得た個人の所得に対して課せられる税金のことを指します。我が国の所得税は、所得が多くなれば多くなるほど税率が高くなる「累進課税制度」を採用しています。

所得税の計算方法の概要、流れは以下の通りです。
1. 一年間の収入の合計を計算
2. 収入から必要経費を差し引いて所得を算出
3. 所得から課税対象とならない所得控除額を差し引いて課税所得を算出
4. 課税所得に該当する税率を用いて全額を算出
5. 課税所得控除分を控除

上記の流れで計算していくと、その年の所得税がいくらになるのかが分かります。

2.住民税

住民税とは、フリーランスエンジニアの方であれば、ご自身が住んでいる都道府県と市区町村に納める税金を指しています。住んでいる地域によって多少の差はありますが「前年の」確定申告による所得をもとに「翌年に」それぞれの市区町村から通知が届きます。

例えば、東京都の東京23区では「都民税」と「特別区民税」となります。このように、地域によって差はありますが、その差は、あっても年間で数百円程度に収まることが多いため、住民税の試算上では特に気にならない程度でしょう。

3.個人事業税

個人事業税とは、フリーランスのエンジニアが都道府県に対して納める税金です。

基本的には、「請負契約」なのか「業務委託契約」なのかがポイントとなります。「業務委託契約」であれば、多くは個人事業税が発生しない可能性が高い傾向にあります。全てのフリーランスのエンジニアが支払う義務があるものではありませんので確認しておきましょう。
法律で定められた70の業種に該当する場合にのみ課税され、エンジニアやプログラマーとして働いているフリーランスの場合には「製造業・コンサルタント業・請負業」が該当するでしょう。個人事業税が発生するかどうかは都道府県によっても異なります。

個人事業税の計算方法は「課税所得×税率-290万円(控除分)」(当記事執筆時点)です。

フリーランスエンジニアの方で、この個人事業税の納付義務に該当すると考えられる法的な業種の区分とその税率は以下の通りです。
● 第1種事業(5%):請負業・製造業
● 第3種事業(5%):コンサルタント業・デザイン業

とはいえ、一般的なシステム開発を業務委託で受注しているシステムエンジニアの場合には、そのどれにも該当していません。

このように、全てのフリーランスエンジニアに個人事業税が関係あるとは限らないのですが、市町村による判定方法としては、決算書から「従業員がいるのか、交通費や経費が多いか」などをチェックし、受注している主要な業務が請負契約に該当するかどうかを判定していることもあるようです。たとえばあちらこちらへ営業で移動したり、抱えている技術者がいて福利厚生や交際費などが多ければ、会社の経営と同じような活動となりますので、会社にかかる法人税と同様の取り扱いで個人「事業税」が賦課されるという判定になるのかもしれません。

そういう意味ではフリーランスのエンジニアとして一人独立して、特定の常駐先でプログラミングや設計などのシステム開発を行っているような一般的なITエンジニアであれば該当しないことが多い、ということになるかと考えられます。ただし、これらはあくまで市町村毎の判断によることになるようです。

4.消費税

消費税とは、サービスや納品物の売買にかかる税金を指します。例えば、案件の報酬単価が50万円の場合、消費税は10%の5万円ということになります。(記事執筆時点)

原則として、前々年度の課税売上が1,000万円以下の場合、今年(課税期間)の消費税の納税義務は免除されます。消費税を納める義務が発生する条件は以下の通りです。ただし税法の変更については毎年必ず確認するようにしてください。
● 前々年度(2年前)の課税売上高が1,000万円を超えた場合
● 1年前の1月1日から6月末までの課税売上高・給与支払額などが1,000万円を超えた場合

このように売上額が年間1000万円を超えるようなハイレベルのフリーランスエンジニアでなければ、消費税の納税を意識する必要はありませんが、消費税は自分で計算して確定申告する必要があるため、その日のために計算方法の概要を知っておきましょう。

消費税の計算方法は「受け取った消費税-支払った消費税」となります。もし、フリーランスエンジニアであっても、消費税支払い事業者になった場合は、還付を受けられるケースもありますので覚えておくと良いでしょう。フリーランスのITエンジニアの場合はあまり考えられませんが、万が一、受取消費税より支払消費税の方が多くなった場合などが該当します。

フリーランスの基本的な所得控除

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フリーランスの所得に関連する基本的な控除の種類は、以下の通りです。
● 所得税は「各種控除」を差し引いて計算
● 控除に該当する国民健康保険料は住んでいる市区町村によって異なる

以下、上記2点について説明していきます。

1.所得税は各種控除を引いて計算

所得とは、収入から必要経費などを差し引いたもの(つまり儲けにあたる金額のこと)を指します。所得税を計算するには、所得金額を把握する必要があります。所得金額の計算方法は「収入 – 必要経費 - 各種控除」です。

必要経費とは、収入を得る上で必要となる費用のことを指し、仕事に使う備品、光熱費、通信費、交際費などが経費に該当します。

次に、各種控除としては以下のようなものがあります。
● 基礎控除:確定申告を行うと一律控除
● 青色申告特別控除:青色申告で確定申告する控除
● 社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除:健康保険・年金・企業共済などの保険料や掛け金にかかった費用が全額控除
● 配偶者控除:配偶者の収入が一定以下の場合に控除
● 配偶者特別控除:配偶者控除で控除できない場合、収入金額に応じて一定金額が控除される
● 扶養控除:収入が少なく自分の収入で養う家族がいる場合に控除
● 医療費控除:年間10万円以上医療費がかかった場合に控除(限度額あり)

その他にも、寄附金控除・生命保険料控除・地震保険などがあり、個人の所得からは一定程度控除されます。
また、配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除などは、本人の所得と、配偶者や扶養家族の収入などの各種条件によって異なりますので、自分自身がどこに該当するのかチェックしておきましょう。

2.国民健康保険料は住んでいる市区町村によって異なる

保険料の金額や納付方法は、それぞれの市区町村により金額が異なります。また、所得や扶養家族の人数によっても異なりますので、事前に確認すると良いでしょう。

国民健康保険料だけではなく、住民税も住んでいる地域によって金額が異なる場合がありますので、こちらも事前に確認しておくと良いでしょう。

まとめ

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これまで、フリーランスの方が納める税金について詳しく説明しましたが、いかがでしたでしょうか。会社員時代とは違って、フリーランスになると税金に関することも全て自分で行うことになります。
考え方によっては、自ら立っていることの証であり、むしろ誇らしいことでもあるでしょう。日頃、システム開発の技量を発揮しクライアントの期待に応え続けているプロフェッショナルなエンジニアとして、高いプライドを持って対応してください。

フリーランスエンジニアとして、長く活躍するためには資金繰りをしっかりしておくことも重要です。そのため、今回ご紹介したことを参考に、事前に支払う税額を把握して将来性のある計画を立てましょう。

次の記事では、フリーランスの適切な経費の計上などについて詳しく説明していきますので、ぜひご覧ください。


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