フリーランス 組み込み系案件
組み込み系エンジニアの案件の多くは、機械(ハード)内の固定プログラムを作成する仕事としてイメージすれば良いでしょう。業務系のアプリケーションとは異なり、機器の制御を取り扱う点が通常のプログラミングとは異なるため、在宅やリモートで働くフリーランスとの相性が気になる方もいると思います。
ここでは組み込み系エンジニアの仕事を振り返りつつ、そのリモートワーク環境についてご説明したいと思います。
組み込み系 案件とフリーランス エンジニアの相性
組み込み系エンジニアとは
組み込み系のエンジニアは、家電や自動車、携帯電話などの機器に組み込むソフトウェアを開発する技術者です。たとえば洗濯機や炊飯器などのボタンを押すとさまざまな設定にできるのは、組み込み系のエンジニアがそこに搭載する機能のプログラミングを行っているからです。組み込み系エンジニアが使用する言語としては、C、C++、Javaなどが代表的です。
機械の構造やOSの動作についての専門知識も必要とされるので、プログラミングとモノづくりの両方に詳しくなければなりません。組み込み系エンジニアのキャリアは、設計、開発、評価などの役割を経験しつつ専門性を高めていきますが、必ずしも一本道ではないようです。色々な立場で経験を積むことで、フリーランスのITエンジニアとしての仕事の幅が広まることでしょう。
組み込み系エンジニアのフリーランスはリモート(在宅)で働けるか
組み込み系の開発案件では、その基盤を持ち帰ることはできないため、出社して対応しなければならないケースが少なくありません。ただ、近年はリモートワークでも組み込み系の開発を試行する企業の姿が見受けられるようになりました。
リモートで働くには、機器側に操作用のコマンドを用意してパソコンから操作したり、機器の動作をWEBカメラで確認したりするなどの方法があります。また、開発マシンや機器を安全に管理するためには電源操作にも配慮しなければなりません。最近ではスマートプラグ(ネットワークにつながる電源アダプタ)によって電源を遠隔操作する方法があります。
現在、組み込み系のフリーランスエンジニアの案件には常駐案件が多いため、リモートで働ける環境が浸透してきているとは言い難い状況ですが、今後の技術の発展次第でリモートワークに対応した環境が整っていくと予想されます。
フリーランス 組み込み系 案件に見る単価・年収
フリーランスが受注できる組み込み系エンジニアの案件、そしてその単価や年収を見てみましょう。
案件1:画像解析システム
最初の例は、カメラやセンサーなどの画像に関する案件です。製造業向けにAIサービスを展開している企業で作業形態は常駐です。Python(パイソン)を用いたWebアプリケーションの開発経験や、深層学習・機械学習に関連する開発経験が求められています。
ご存じの方も多いでしょうが、機械学習とは人間の知能の一部を代替するソフトウェアです。深層学習は機械学習の一種です。Pythonは少ないコードで簡潔にプログラムが書けるプログラミング言語で、機械学習の分野でよく活用されています。組み込み系エンジニアの案件を獲得するために、Pythonの言語を習得しておくと役立つことでしょう。
案件2:自動車に関する車載ネットワークの開発
次の案件例は、車載ネットワークプロトコルの開発から実装、テストまでを実行する案件であり、勤務形態は常駐となる事例です。
開発で用いられる言語はC言語であり、OSはT-KERNELなどです。T-KERNELとは組み込みシステムの要請に対応できるよう互換性と拡張性を重視したOSであり、リアルタイムなOSとして知られています。
必須条件は、組み込みシステム開発の経験や、静的解析ソフトによるコード除去の経験などです。
単価・年収
フリーランスの組み込み系エンジニアの月額単価相場は約60万円であり、年収に換算すると約720万円になります。中には150万円という高単価が設定されている案件も見られます。
組み込み系エンジニアのフリーランスは、大規模なシステム開発に携わることができれば、予想を上回る年収に到達するケースもありえます。
フリーランス 組み込み系 エンジニアの需要・将来性
フリーランスの組み込み系エンジニアの需要や将来性について見ていきましょう。
IoT関連による将来性
近年はIoTの分野が注目され、私たちが身近に身に着けるアイテムにもセンサーやマイコンが搭載され、気軽にネットと接続できるようになりました。具体的には、アップルウォッチが良い例でしょう。このような機器の制御にもプログラミングが必要であり、今後もIoTの発展にともなって組み込み系エンジニアが活躍できる場面は多くなると予想できます。
人手不足による需要期待
フリーランスの組み込み系のシステム開発では、ハードウェアに適した言語が使用されるので、ほかのIT職でトレンドになっている言語があまり使われない傾向があります。流行による需要が少ないという点が人材不足につながっているとの見方がなされており、フリーランスとしても組み込み系エンジニアの需要が期待できるといえます。
フリーランス 組み込み系 -まとめ
フリーランスの組み込み系エンジニアは、プログラミングだけでなく機器に関する理解力も問われる仕事です。
基盤や電子回路などのハードウェアに詳しい方であれば、フリーランスとして活躍できる機会が増えると予想できます。
業界では、リモートや在宅で働く方法も模索されているので、フリーランスとして柔軟に働けるような時代もそう遠くはないといえるでしょう。